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    大学4年生からの利用・新卒採用

    障害名  :発達障害
    年齢   :20代
    通所期間 :10ヶ月
    就職先業種:倉庫・輸送業 経理
    【通所開始から就労までの流れ】
    ■週3~4日から通所開始
    ■4ヶ月目で内定獲得
    ■入社日まで安定した働き方の模索

    通所するまでの困り事

    主に2点ありました。ひとつ目は「スケジュール過多や気圧の変動による体調不良」。ふたつ目は「次々と変わる状況において優先順位を判断して動く」です。それでも、1週間の予定を事前にスケジュール帳に書き込み予定の見える化をしてみたりと、自身で出来る範囲で対応していました。また、大学のキャリアセンターの職員に定期的に相談することで、自身で何を判断し行動すべきなのかを決めていました。日々生活する中である程度コントロール出来ていましたが、イレギュラーなことが発生すると長期的に体調を崩し回復しきるまでに時間がかかってしまっていました。優先順位については、バイトをしている中で顧客の状況を確認しながらのレジ打ちや売り場の商品補充など、臨機応変に対応しないといけない場面が多く、「働けないわけではないが負担感が大きい」という困り事がありました。

    通所を決めた理由

    これまで、1週間単位のスケジュール調整をしながら学業に取り組んでいましたが、卒業論文の作成と就職活動を学業と同時並行の中で実施していかなければいけないことに負担感があり、可能であればサポートを受けながら実施できないかと考えておりました。その中で、大学のキャリアセンターの職員から就労移行支援事業所の紹介を受け事業所の見学に伺った際に、自身が求めていたサポートが受けられるのではないかと思い通所を決めました。

    通所して学んだ事

    ある程度のPCスキルは大学などで会得していたため、自己理解や体調不良への安定を図る対策の立て方を中心に取り組んでいきました。自己理解の中で特に学べてよかった点が、「私は何を大切にしているのか、したいのか」という点を知れたことです。知ることができたからこそ今の職場と出会え、安定して働けているのではと感じています。体調不良に関しては、気圧や天候の変化やスケジュール過多で数日間寝込んで動けない状況が続いてしまったりと、思うように対応が出来ていない現状がありました。実際に体調が悪くなった時には「何をしていれば症状が軽くなった可能性があったのか」という事を考えることが難しく、スケジュールも調整している時には過多にならないよう配慮をしているつもりでも、事前の見通しが甘く体調不良になってからスケジュール過多だったのではないかという事の繰り返しでした。その中で、就労移行支援事業所のコーチと対策を考え実行し、そのフィードバックを行い次の対策へとつなげることを継続したことで、症状の大幅な改善に繋がりました。

    また、大学の単位取得、就職活動、卒業論文の作成、自動車免許取得など長期的にスケジューリングが必要なことが多く、自身のみでは調整が難しいと感じていました。大学ではキャリアセンターの職員にサポートを受けていましたが、常に相談できる環境が欲しいと感じていたため、通所時にいつでも相談を出来る就労移行支援事業所はとても魅力的であり、実際に、その「いつでも相談できる状況」は自身にとってとても重要な事なのだと学べました。

    どのように就職活動に取り組んだのか

    就職活動においては、自身の症状や特性をどのように言語化し伝えるのかを重点的に取り組んできました。これまでは「マルチタスクが苦手」という言葉でまとめていた自身の特性を、「ひとつずつ判断材料がはっきりと定められている状況であれば優先順位を付けることが出来る。しかし、常に変化する状況において優先順位を付けることが苦手だが、都度、相談することで解決を図ることが出来る。」というように言語化していきました。実際に就職活動の中での面接や履歴書などの書類作成において、自身の状況を明確にしたことで先方との認識の齟齬を防ぐことに役立ちました。

    また、新卒枠の採用を目指していたため卒業は必ずしたいと考えていました。その中で、卒業論文の作成は単位取得と同様に就労移行支援事業所のコーチの手を借りて実施できるわけではないですが、実施する時間の調整や行き詰った際に相談先の助言など進める上でとても助かりました。時間調整などのサポートがあったおかげで提出期日に余裕を持って間に合い完了させることができました。

    就職後の心境

    まだ就職して2ヶ月ほどしか経過していない状態ですが、同僚や先輩、上司などのサポートを受けながら業務に取り組めており職場の環境にも慣れ始めている状態です。

    梅雨時期から1日の気圧の変化が大きい日が続いていますが、事前対策の服薬やストレッチでの自己対処、それでも難しい場合は、上長に申し出て小休止を取りながら働けていることで、これまで大きく崩れてきた過去に比べると、だいぶ落ち着いて対処できていると感じています。これも就職後を想定した対策の立て方を、就労移行支援事業所に通所しているときにアドバイスをもらいながら取り組めたからだと思います。これからも長く続く社会人生活を少しでも充実したものに出来るように日々頑張っていきたいです。

    支援員のコメント

    大学在学中からの入所契約だったため、通所を開始した段階で既に就職活動を行っている状況でした。この方に関わらず、新卒採用枠を目指す場合は大学3年の3月ごろから会社説明会がスタートする企業が多いため、同様な状況になりやすいです。本来であれば幅広い自己理解から行い自身を知る事から始めていきますが、就職活動に特化した自己理解を進めていく必要があります。すでに選考が進んでいる状態から就職が決まった場合は「自身の特性に合った会社を探す」というよりも「内定をもらえた企業で自分がいかに安定した状態で勤務できるか」という視点で取り組んでいかれる方が多いです。

    体調の変化やスケジューリングのやり方、自身のキャパシティをいかに把握するかが安定への近道であり、必須条件ともいえる状況の中、卒業論文作成などの卒業に必要な要素も同時並行してこれたことは、常にコーチと情報共有を図りながらやるべきことを見極め、実際に行動に移せたからだと感じております。

    まだ入社して間もないため、これから発生する可能性のある事柄を事前に想定し、対処法の確立を早期に図っていくサポートを提供していきたいと思います。

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